アメリカに言われて軍拡します。請求書は国民に届きます
防衛費の財源に「増税も排除しない」? ちょっと待ってください。月末の財布はいつもカツカツなのに、これ以上むしり取る気ですか。
しかも、儲けるのは兵器を作る大企業で、身銭を切るのは毎日現場で働いている私たちです。さらにヤバいのは、増税の金額を決めたのは日本じゃないってこと。アメリカが突きつけてきた「GDP比3.5%」のノルマです。
1. クレカの請求額だけ先に決まる恐怖
10月末、政府の有識者会議で「防衛費の大幅アップは絶対。足りない分は増税もアリ」という空気になりました。
10月27日に首相官邸で開かれた「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の第5回会合が、その場です。議題は「安全保障と経済財政」。そこで「増税も選択肢として排除すべきではない」という意見が出たのに、どの税金をどれだけ上げるかは議論されなかったと報じられています。
でも、「どの税金を、どれだけ上げるか」は後回し。「とにかくお前らが払え」という結論だけが先に決まる。完全に順番がバグってます。
政府は「防衛と経済の好循環」なんてキレイごとを言っていますが、要するに「需要がない弾薬づくりでも、国が税金で丸抱えして企業を儲けさせますよ」という新ビジネスの立ち上げです。政府は「防衛産業基盤戦略」を作り、ふだん需要の少ない弾薬を作る力を国が支える新法人の設立構想まで出しています。商売として成り立たないものまで税金で支える。それのどこが「好循環」なんですか。
そもそも、なぜ急に防衛費が倍増(今の10.6兆円から20兆円台半ばへ)するのか? それはアメリカが同盟国に「お前らもGDPの3.5%は軍事費に使え」と要求しているからです。
会議は12月上旬に報告書をまとめ、年末までに新しい安保関連3文書が閣議決定される方針です。つまり、請求書の発行日はもう決まっています。
2. 数字を決めたのはアメリカ、ボロ儲けするのは軍需企業
この「3.5%」という数字は、日本の防衛にこれだけ必要だよね、と計算した金額ではありません。アメリカが「これくらい負担しろ」と決めただけの、ただの政治的な数字でしかありません。つまり、金と力関係。ジャイアンの論理です。
そして、この軍拡バブルで誰が笑うのか? 政府の資料にも「防衛と経済の好循環」と書かれている通り、軍需企業です。
ふつうの商売なら赤字になるような弾薬づくりでも、国が買い取ってくれるなら絶対に損はしません。リスクは税金を払う私たちが背負い、利益は一部の大企業が持っていく。これが「好循環」の正体です。
しかも会合では、2022年の前回改定の報告書にあった「今を生きる世代全体で分かち合っていくべきだ」という言葉が紹介され、賛同する声もあったといいます。「分かち合う」じゃないんです。払わされるんです。
3. 100年前から変わらない「大国の縄張り争い」
ロシア革命を指導したレーニンは、100年以上前に書いた本(『帝国主義、資本主義の最高の段階』)で、今の状況を完璧に見抜いていました。
彼によれば、帝国主義(大国が力で世界を支配する仕組み)の正体とは、「国と巨大企業がタッグを組んで、世界の覇権(トップの座)を奪い合う縄張り争い」です。
政治家が単に戦争好きだから軍拡するんじゃありません。市場を牛耳りたい巨大企業同士の利益のぶつかり合いが根本にあります。アメリカが同盟国に「もっと金を出せ」と迫るのも、この覇権争いに日本を巻き込んでいるだけです。
日本の政治家も「アメリカの言いなり」で渋々やっているわけじゃありません。「これは一部の企業を儲けさせ、自分たちの権力を強めるチャンスだ」とノリノリで便乗しています。
4. 「財源論」という罠に騙されるな
そもそも、財源の中身は何も決まっていません。木原稔官房長官は28日の記者会見で、増額の中身も財源も「現時点で決まっているものはない」と認めました。総額だけが独り歩きして、中身は空っぽすぎます。それが現実です。
数字の作り方もおかしい。政府は改定する安保関連3文書に「3.5%」と書き込まない見通しなのに、経済安全保障の予算の一部を防衛関係費に含める検討を始めました。実際に使うお金を増やす話じゃなく、見かけの比率をアメリカの基準に近づける操作です。そもそもGDP自体、1930年代にクズネッツらが整備した歴史の浅い物差しです。その物差しの何%かで国の財布の中身が決まるなんて、冷静に考えたら変な話です。
ニュースではこれから「財源はどうする? 法人税か? 所得税か?」という議論ばかりが流れるはずです。
でも、その土俵に乗ってはいけません。「どうやって払うか」を議論し始めた時点で、「軍拡に賛成して払う」ことは確定してしまうからです。
野党が「庶民の増税じゃなく、法人税を上げろ」と言うのも同じです。「払い方」を変えようとしているだけで、防衛費倍増の請求書自体は受け取ってしまっています。
5. 究極の問いは「軍拡か、平和か」じゃない
ニュースを見たら、金額よりも先に「その数字、そもそも誰が出したの?」とツッコミを入れてください。
「軍拡か、平和か」なんていうのは、上級国民(国や資本家)が用意した都合のいい選択肢です。私たちが持つべき物差しは、「どっちが儲けて、どっちが払わされるのか」というリアルな生活の視点です。
儲けるのは軍需企業、払わされるのは現場で働く私たち。この理不尽すぎる構図のまま、あなたは大人しく財布を開きますか?
労働者の意見

アメリカが「GDP比3.5%出せ」って言っただけで、なんで私たちの税金が軍拡に回るのが前提みたいに話されるの? 偉い人たちは「今の世代みんなで負担を分かち合おう」なんて言うけど、私の給料は全然上がってない。物価は上がってカツカツなのに、軍需企業を儲けさせるために払わされるなんて、冗談じゃないよ。
正直、私の中でも気持ちは割れてる。戦争は怖いし、「抑止力がないと危ない」って言われると、少しは防衛費がいるのかな、負担は仕方ないのかなって揺れちゃう。職場でも意見は一つじゃなくて、「軍需の仕事が増えれば雇用が守られる」って言う人もいるし、非正規の同僚は「ただでさえ税金と物価で苦しい」って怒ってる。どっちも生活がかかってるんだよ。だから、軍需の現場で働く人を乱暴に切り捨てるような言い方も、私は嫌だよ。
ねえ主、聞いていい? そもそも3.5%って、日本を守るのに必要な額として計算された数字じゃないよね。それに、日本の側も乗り気で便乗してるなら、文句の相手はアメリカだけじゃないってことだよね? じゃあ、まず誰に、何を言えばいいの?
主の意見

はっきり言います。3.5%は、日本を守るのに必要な額を積み上げて計算された数字じゃありません。アメリカが同盟国に求めた、ただの政治的な数字です。増額の中身も財源も、まだ何も決まっていない。「日本を守るためだ」という言葉だけで、この請求書を受け取る理由にはなりません。
「軍拡か、平和か」という問い自体が罠です。あれは国と金持ち側が用意した物差しで、その土俵に乗った時点で、払うことが前提になります。私たちの物差しは一つだけ。誰が決めて、誰が儲けて、誰が払わされるのか、です。その物差しで見れば答えは明白で、決めるのはアメリカと日本の政府、儲けるのは軍需企業、払わされるのは現場で働く私たちです。
日本の政治家や大企業を「アメリカの言いなり」と見るのも間違いです。彼らは権力と利益のために、自分から進んで便乗しています。これは国家同士の揉め事じゃありません。大国の巨大企業が縄張りを奪い合い、各国の支配層がそれに乗って自国の労働者に請求書を回す、階級の問題です。
軍需の現場で働く人は敵じゃありません。敵は、その人の生活を軍需の注文に縛りつけ、儲けだけを持っていく仕組みです。だから要求は具体的にします。安保関連3文書に、総額ありきの軍拡を書き込むな。財源も、契約先も、企業がどれだけ儲けるのかも、全部公開しろ。負担を働く側へ回すな。軍需に頼らなくても生活できる仕事への移行は、国の責任で保障しろ。
請求書は、受け取ってから文句を言うものじゃありません。発行しようとする相手へ、その前に突き返すものです。
参考
- 内閣官房「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議(第5回)議事次第」(2026年10月27日)
- NHK「安保3文書の有識者会議"増税も選択肢として排除せず"の意見」(2026年10月27日)
- 時事通信「防衛費増『財源・国民理解が必要』=政府、産業基盤強化で新戦略―安保3文書改定の有識者会議」(2026年10月27日)
- ロイター「防衛予算、財政持続性に配慮しつつ議論 具体化は今後=官房長官」(2026年10月28日)
- TBS NEWS DIG「経済安保予算なども『防衛関係費』へ 米国の要求に配慮も今後5年間で『GDP比3.5%』は明記せず 防衛財源確保のために法人税引き上げ案も」(2026年10月27日)
- レーニン『帝国主義、資本主義の最高の段階』第7章(Marxists Internet Archive)

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